犬も人間と同じように、認知症になることがあります。
もし愛犬が認知症になってしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
今回は犬の認知症の原因や治療法の他、犬の認知症を予防する対策法があるのかなどについて詳しくご紹介します。
犬の認知症の症状や対策を徹底解説
人間は年を取ると「認知症」になるリスクが増えますが、実は犬にも認知症が起こる可能性があります。もし愛犬が認知症になってしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?今回は犬の認知症の具体的な症状や対策法、治療法などをご紹介します。
認知症を予防する方法もチェック
愛犬には長生きしてほしいけど、認知症にはなってほしくないという飼い主さんがほとんどでしょう。認知症は予防をすれば、ある程度は発症を抑えることが出来る病気だと考えられています。今回は犬の認知症の治療法や対処法と合わせて、予防する方法についてもご紹介します。
要確認!犬の認知症の原因と症状
まずは、愛犬が認知症になってしまった場合にどのような症状が出るのか、何が原因で認知症になってしまうのかについて解説します。認知症になりやすい犬には3つの特徴があり、13歳以上の老犬、日本犬系の犬種、屋外飼育の犬が認知症になりやすいと言われています。
もしこの条件に当てはまる犬を飼っている人は、認知症のリスクが高いことを自覚しておきましょう。犬の認知症に特有の症状を知っておくことで、認知症が発症してもすぐに適切な対処や治療を行うことが出来ます。犬の認知症の原因や症状についてしっかり学んで、早期発見を心がけましょう。
詳しい原因は解明されていない
犬が認知症になってしまう原因ですが、残念ながら今のところ詳しい原因は解明されていません。人間の認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症は、脳にβ-アミロイドというタンパク質が蓄積して老人斑を作り、脳の機能を低下させることが原因だと考えられていますが、犬の認知症ではこれがまだ詳しくは解明されていません。
犬の認知症はアルツハイマー型の前段階と考えられており、何らかの脳の実質的な変化や神経伝達物質の減少などが原因となって、人間の認知症のような症状が出ているのではないかと考えられています。
いつもと様子が違う場合は注意
認知症は根治出来る病気ではありませんが、進行を遅らせることは可能です。そのためには飼い主さんがいち早く愛犬の認知症の症状に気づくことが大切です。犬が認知症になると見られる症状としては、同じところをグルグルと歩き回ったり、今までできていたことができなくなったりということが挙げられます。
生活が昼夜逆転したり、粗相が増えたりするなど何となくいつもと違うなと感じたら、要注意です。もし首を傾けて嘔吐するという異常が見られる場合はその他の病気の可能性もあるので、すぐにかかりつけ医の診察を受けるようにしてください。
愛犬が認知症になった時の対処法
もし大切な愛犬が認知症になってしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか?そもそも犬が認知症になったら、治療法はあるのでしょうか?ここではいざという時に知っておきたい、愛犬が認知症になった時の対処法を解説します。
病院で検査と治療を受ける
もし愛犬に認知症のような症状が現れたら、できるだけ早く病院で検査を受けましょう。認知症の検査は、認知症チェックのガイドラインや獣医さんが使用しているチェックリストで症状を確認するのが一般的です。他の病気の疑いがある時には、全身麻酔を使ってCT検査が行われることがあります。
犬の認知症治療に特効薬はなく、食事管理や生活習慣の改善などを行いながら対処的に治療することが多いようです。症状によっては、サプリメントを含む薬物治療が行われることもあります。犬の認知症の薬物治療は初期段階であれば症状の改善が見られることもありますが、効果がでないことも多いようです。
愛犬が過ごしやすい環境を整える
犬に認知症の症状が現れ始めると、壁に頭をぶつけたり、狭いところに入り込んで出られなくなったりする可能性があります。危険を防ぐため、リビングに円形サークルを設置しその中で安全に過ごせるような環境を整えてあげることが大切です。
また認知症の犬の中には、夜中に無駄吠えする子もいます。その場合あらかじめご近所の方にも、愛犬が認知症になってしまったことを話して、理解してもらうことも大切です。そして、昼夜逆転の生活をさせないことがポイントです。認知症の犬が排泄のときに粗相をしてしまう場合には、犬用のおむつの利用も検討しましょう。
ご飯は状態に応じて工夫を
愛犬が認知症になってしまった場合、食事は変えたほうが良いのかと気になるでしょう。基本的に犬が認知症になっても、食べ物はいつも通りでOKです。ただし、いつもよりたくさん食べたがる場合は量を減らして回数を増やすなどの対策をとるようにしましょう。
接し方は今まで通りでOK
犬が認知症になってしまった時には、愛犬とどのように接すればよいかと悩む飼い主さんも多いでしょう。愛犬が認知症になってしまっても、これまで通りの接し方をして、適度な刺激を与えるほうが良いと言われています。静かな部屋でばかり過ごさせたり、放っておいたりするのは、認知症を進行させてしまうリスクがあり好ましくありません。
できるだけ認知症が進行しないよう、脳に適度な刺激を与えるようにします。散歩も毎日欠かさず連れていきましょう。散歩に行きたがらないこともあるかもしれませんが、カートに乗せて外に連れ出してもOKです。
愛犬の認知症を予防する方法
一度発症してしまうと根治することが難しい犬の認知症ですが、認知症になってしまわないように普段からできる予防方法はあるのでしょうか。犬の認知症は脳の老化が原因のひとつなので、脳に刺激を与えて活性化させることで、認知症の発症を予防することができます。ここでは具体的にどんな対策をすれば愛犬の認知症を予防できるのか解説します。
適度な運動で筋力を維持する
犬の認知症を予防するためには、散歩や室内でのボール遊びなど適度な運動をさせて筋力を維持することが大切です。老化によって運動量が低下すると筋力が衰え、認知症が進行すると言われています。適度に筋肉を動かして筋力を維持し、認知症の発症を遅らせましょう。
刺激を与えて脳を活性化させる
認知症予防に効果的なのは、脳に刺激を与えることや脳が活性化する生活をすることです。具体的には、毎日の散歩コースを時々変えてみたり、ドッグランで他の犬と触れ合ったり、頭を使うゲームを楽しんだりなどです。適度に脳を活性化させることで、脳の老化を防ぐことが出来ます。
老化防止に効果的な成分を摂取する
脳の老化防止に効果的な成分を摂取することも、犬の認知症対策に有効です。特にDHA、EPA、抗酸化物質は認知症予防に良いとされており、これらの成分を含むフードに変えたり、サプリメントを活用したりするのがおすすめです。
あると便利な犬用介護グッズ
認知症の症状がある犬の世話をすることは、飼い主さんには負担が大きいものです。犬の介護に疲れてしまわないよう、介護の時には専用の便利グッズを使うことをおすすめします。ここでは、犬の介護にあると便利なおすすめグッズをご紹介します。
持ち手つきの食器
認知症によって自分で食事をとれない犬には飼い主さんが食事を食べさせると思いますが、そんな時にあると便利なのが「持ち手つきの食器」です。犬の体を支えながら食べさせる時には、片手で食べさせなくてはならないので特に便利です。自分が持ちやすいサイズや重さの食器を選びましょう。
歩行を補助するハーネス
認知症になると足腰が弱って立ちあがったり、歩いたりするのに時間がかかるようになることがあります。またふらつくことも増えるので、ケガを予防するためにも散歩の時には「歩行を補助するハーネス」を使うと良いでしょう。思うように歩けなくなっても、心身のリフレッシュのためにできるだけ出かけたり、散歩に行ったりすることは大切です。
床ずれを防止するマット
寝たきりになった愛犬の床ずれ対策には「床ずれを防止するマット」がおすすめです。床ずれは回復に時間がかかることも多いので、出来てしまう前にマットで予防しましょう。特に床ずれができやすいのは、頬や腰、前足の肘部分、後ろ足の膝部分などです。マットでなくクッションやスポンジを当てるだけでも、予防することが出来るので試してみてください。
適度な刺激で認知症を対策しよう
今回は犬の認知症の症状や治療法、対処法などを詳しくご紹介しました。犬の認知症には特効薬がないので、愛犬が少しでも元気で長生きできるよう認知症の予防をしておくことが大切です。認知症予防には適度な刺激が重要なので、普段から脳を活性化させるような生活を身に付けましょう。
また認知症になってしまった後でも適度な刺激のある生活をすることで、進行を遅らせることが出来ます。愛犬の認知症予防のため適度な運動と刺激のある生活を心がけましょう。