猫が嘔吐する原因は、ストレスや異物の侵入など様々です。
もしも毎日嘔吐している、血が混じった嘔吐をしている、下痢を伴っているなどの異常がみられた場合、病気である可能性も考えられます。
飼い猫の嘔吐がみられた際には、冷静に対処できるよう本記事をぜひご確認下さい。
猫が嘔吐したときの原因・対処法を紹介
飼い猫が嘔吐をしていると、飼い主さんは「体に異常があるのではないか」と不安に思うでしょう。もちろん、すぐに病院へ行ける状態であるなら、自己判断をするより専門家に診てもらうことをおすすめします。しかし、そうもいかない場合や病院へ行くまでの間が不安な場合は、できる限りのセルフチェックで対処してあげて下さい。
原因は病気だけではない
猫は嘔吐しやすい動物であると言われており、必ずしも病気が関係しているとは限りません。例えば、精神的ストレスを抱えていたり、異物をあやまって飲み込んでしまったりした場合は、病的なものではない生理現象と考えられます。本記事では猫が嘔吐する主な原因、それぞれの適切な対処法などをご紹介しているので、セルフチェックの参考にしてみましょう。
猫が健康なのに嘔吐している時の見分け方
まずは、猫が健康であるにも関わらず嘔吐している場合の見分け方についてお伝えします。次の条件に当てはまるからといって油断してはいけませんが、早急に対処すれば飼い猫の症状を早めに改善してあげられるかもしれません。以下では嘔吐の原因ごとに適した対処法も解説しているので、飼い猫の症状に合った方法を見極めてお試し下さい。
早食いが癖になっている
個人差はありますが、猫は早食いをすると食べたものを吐いてしまうこともあります。これは、食べたものが胃に到達する前に食道で溜まってしまうことが原因です。もしも飼い猫が早食いをしているようなら、毎日のご飯を少量ずつ与えるようにすると嘔吐が治るかもしれません。また、猫の早食いを防げるよう作られた食器を使用するという方法もおすすめです。
長時間食事をしていない
猫の消化器官は繊細なため、空腹が嘔吐の原因になるとも言われています。消化するものが何もない状態が続くと、胃液・胆汁などが過剰に働き、逆流してしまうそうです。この場合は、ご飯を与える頻度を増やすのがおすすめ。ただし、胃液が原因の嘔吐が毎日のように起こっていたのなら、胃炎などを起こしているかもしれません。心当たりがあれば早めに病院へ行きましょう。
毛玉を飲み込んだ
猫は舌を使って毛づくろいをする習性があるため、必然的に毛を飲み込むことになります。普段なら便とともに毛も排出されますが、胃の中で毛玉になってしまうと嘔吐の原因になってしまうのです。毛玉を吐き出す様子が続くのであれば、毎日ブラッシングを丁寧に行って下さい。それでもまだ嘔吐する場合は、毛玉の排出をうながすフードやサプリを利用してみるのも一つの手です。
強いストレスを感じている
猫が普段の生活環境以外で嘔吐しだしたら、何かしらのストレスを感じている可能性があります。この場合は、猫のストレスとなっている原因をつきとめ、排除してあげことが改善に最も効果的です。ただ、引越しなどで新しい環境に慣れてもらうしかないときには、飼い猫が前回の家でお気に入りだった場所を再現するなどと工夫してみましょう。
猫が病気で嘔吐している時の見分け方
ここからは、放置していると危険な嘔吐の見分け方をご紹介します。もしも飼い猫の症状と以下の条件が一致した際には、症状が悪化する前に早く病院で診てもらいましょう。飼い猫の健康にかかわるため、「ストレスだろう」「まぁ、こうしておけば大丈夫だろう」などと自己判断せず、必ず専門家に正しい対処法を教えてもらって下さい。
毎日など吐く回数が多すぎる
毎日嘔吐している、1日にが3・4回以上嘔吐するなど、あまりに回数が多いという状態は普通ではありません。いくら嘔吐しやすい猫でも、慢性化しているときは異常だと考えていいでしょう。また、毎日複数回の嘔吐を繰り返していると猫が脱水しかねないため、病院へ行くまでの間は水分補給をこまめにとらせてあげて下さい。
大量の血が混じっている
猫が嘔吐したものの中に血色が見られたら、口の中、もしくは胃や腸内で出血している可能性があります。嘔吐を促す病気の中には腫瘍が関係するものもあるため、大量の出血をしていたらすぐに受診するのが賢明です。より正確に診察してもらいたい場合は、血の状態がわかりやすくなるよう嘔吐物を持参するか、写真に撮っておくなどするといいかもしれません。
嘔吐とともに下痢がある
嘔吐だけでなく下痢も同時に起こっている、という状態も非常に危険です。下痢をするのは摂取したものによる中毒症状であったり、ウィルス感染による症状だったりする可能性も考えられます。また、下痢がともなう嘔吐を毎日のように繰り返していると、より脱水になりやすいでしょう。飼い猫も相当苦しい状態となってしまうため、早急に病院へ行って下さい。
お腹が張る・痛がる
嘔吐に加え、お腹が張っているなどの症状が見られたときは、侵入した異物が体内に詰まっていることも考えられます。すぐ猫の体に異変が起こるわけではなく、嘔吐がみられても元気にしている場合もあるでしょう。しかし、突然痛がることもあるため、嘔吐の際にお腹が張っていると感じたら念のため病院へ行く準備をしておいて下さい。
元気がない
毎日嘔吐していたり、血が混じっていたり、下痢をしていたりするだけが病気のサインではありません。いつも遊びまわる時間に動かない、食事が進んでいないなど、元気がないときも注意が必要です。もちろん、ストレスなど他の原因で元気をなくしている可能性もあるでしょう。しかし、ストレスなどと自己判断すると病気の発見が遅れることもあるため、早めの受診をおすすめします。
猫が嘔吐した時の掃除方法
猫はいつどこで嘔吐してしまうかわかりません。場所が悪ければ、早く対処しないと臭いやシミがその場に残ってしまいます。そこで猫の飼い主さんに覚えておいてもらいたいのが、場所ごとの適切な掃除方法です。以下の方法を知っておけば、臭い・シミ残りを少しでも避けることができるでしょう。それでは早速、それぞれのやり方をご紹介します。
フローリングの場合
フローリングで嘔吐があった場合は、まずキッチンペーパー・雑巾・ペット用の除菌消臭スプレーを用意しましょう。最初はキッチンペーパーで嘔吐物をすくい、ゴミ箱へ捨てて下さい。このとき、溝に嘔吐物が残らないよう注意しましょう。そのあと、お湯で濡らしてしぼった雑巾で念入りに拭きます。最後はペット用除菌消臭スプレーを吹きかけ、少しの間放置したら拭きあげて完成です。
カーペットの場合
続いて、カーペットなどファブリック系の床の掃除方法をご紹介します。用意するものは、キッチンペーパー・食器用洗剤を水で薄めたスプレー・水スプレー・乾いたタオル・ペット用除菌消臭スプレーです。洗剤入りのスプレーは、水500mlに対し食器用洗剤小さじ1を入れるだけで完成します。嘔吐物に触れないよう、使い捨てのゴム手袋もあると便利です。
それでは手順を解説します。まず、嘔吐物は押し付けたり広げたりしないよう、優しく中心にまとめてすくい上げましょう。大方すくい取れたら、洗剤入りスプレーを吹きかけ、タオルを被せて叩くように水気を取って下さい。そして、普通の水スプレーを吹きかけタオルで叩くという動作を2〜3回繰り返し、ペット用除菌消臭スプレーをかければ終了。どの動作も力まないよう注意して下さい。
畳の場合
和室での嘔吐処理には、重曹を使った掃除方法をおすすめします。他にはキッチンペーパー・掃除機・酢・雑巾を用意して下さい。掃除機が使えない場合は、ほうきや掃除用ブラシなどでも構いません。まず他と同様に、キッチンペーパーで嘔吐物を丁寧にすくい取りましょう。畳の目に嘔吐物が入り込むと異臭が残る原因にもなるため、優しく落ち着いて除去して下さい。
固形物がなくなったら、水気のある部分に重曹を撒きましょう。重曹が水分を吸うまでしばらく待ち、乾いたら掃除機やほうきなどで重曹を片付けて下さい。そのあと、少し酢を加えたお湯で雑巾を濡らし硬くしぼったら、畳の目に沿うように拭きあげれば完成です。重曹がないときは、カーペットの場合と同様の掃除方法でも対処できます。
洗濯できるものの場合
衣類などの洗濯可能なものの上で嘔吐した場合は、洗濯機で洗う前に下準備が必要です。まず、固形物をティッシュやキッチンペーパーなどで取り除き、水で予洗いします。ある程度汚れを流せたら、40度以下のお湯に1〜2時間ほどつけ置きしましょう。最後は軽くしぼり、通常通り洗濯して下さい。異臭が残らないよう、しっかりと乾かすことがコツです。
猫が嘔吐しても落ち着いて対応しよう
自分の愛する飼い猫が嘔吐していれば、焦ってしまうのも仕方がありません。下痢や吐血などもみられれば、なおさら不安にもなるでしょう。しかし、そんなときこそ落ち着いて症状を見極めることで、より正確な対応ができるはずです。また、猫の様子が少しでも異常に感じられたときは、迷わず病院で専門家に診てもらって下さいね。