猫の尿が赤いのなら、もしかして血が混じっているのかもしれません。
血尿が出たときは病院の受診が必要です。こちらでは、猫の血尿で疑われる病気、病院受診前に知っておきたい観察項目についてご紹介します。猫を病院に連れて行く際のポイントもチェックしましょう。
猫の血尿の原因を徹底解説
猫の尿は通常は黄色ですが、血が混じっていると赤っぽい尿が出ます。猫が血尿を出したのなら、病気を患っているのかもしれません。こちらでは、猫の血尿の原因をご紹介していきます。愛猫が血尿をだしたときは疑われる病気をチェックし、病院の受診を検討しましょう。
観察すべき項目もチェック
血尿で病院を受診する前に猫の状態を観察することも大切です。猫の状態を観察してより多くの情報を獣医さんに伝えれば、病気を正確に診断しやすくなるはずです。こちらでは、猫の血尿以外にいつもと様子が違う点がないか、排尿の頻度や排尿時に痛がる素振りがないかなど、受診前に観察すべき項目もご紹介します。
猫の血尿で疑われる病気
猫に血尿が出ているときの原因のほとんどが病気です。猫の尿に血が混じるというのは、腎臓で尿が作られて排泄されるまでの間にどこかで出血しているということです。軽い病気や怪我による血尿であればいいのですが、重篤な病気が原因の可能性もあります。愛猫が血尿を出した際は早めに病院を受診しましょう。こちらでは、猫の血尿で疑われる病気をご紹介します。
細菌感染等による「膀胱炎」
猫が膀胱炎になると血尿を出すことがあります。一般的には細菌感染や膀胱結石が原因で膀胱炎になる猫が多いです。猫が膀胱炎になると水を飲む回数が増える、残尿感から排尿の回数が増える、落ち着きがなくなるなどの症状が出ます。
排尿時に痛みがあるため、鳴き声をあげる猫もいます。また、トイレに行く回数は多いけれど、尿が出ないというケースも多いです。細菌感染による膀胱炎の場合は薬の服用で治療しますが、完治後に再発したり、完治自体に時間がかかったりすることもあります。
痛みを感じやすい「尿路結石症」
尿路結石症とは腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに結石ができることで排泄異常を起こす病気です。猫がトイレに行っても尿が少ししか出ない、頻度が高い、排尿時に痛みから鳴き声をあげるなどの様子が見られる場合は、尿路結石症の可能性が高いです。
血尿が出るときは結石が膀胱や尿道を傷つけているのかもしれません。結石が尿道や尿管に詰まってしまうと、排尿できなくなって尿毒症になることもあります。尿毒症になると亡くなってしまう猫もいるので注意が必要です。排尿時の猫の様子がいつもと違うようなら、早めに病院を受診しましょう。
尿路結石症は療法食やサプリメントなどで結石を溶かして治療しますが、結石の大きさや個数によっては外科的治療をします。尿路結石症の予防としてお水を多めに飲ませる、キレイ好きな猫のためにトイレは清潔にしておくことも大切です。
炎症が生じる「尿路感染症」
尿路感染症が原因で猫が血尿や白く濁った尿を出すことがあります。尿路感染症とは尿道から上部へと細菌や真菌が侵入し、炎症や粘膜の損傷を引き起こす病気です。排尿の回数が多いわりに少量の尿しか出ない、背中を曲げた態勢で排尿する、お腹を触ると痛がる、お腹が膨らんでいるなどの症状がある場合は、尿路感染症になっているかもしれません。
尿路感染症の治療は抗生物質と消炎剤の投与が一般的ですが、原因によっては食事を療法食に切り替えて治療することもあります。いずれにせよ、排泄異常が続く場合は病院での受診が必要です。猫の状態をよく観察し、病院で症状を伝えて治療しましょう。
嘔吐や下痢を伴う「中毒症」
玉ねぎは人間にとってはなんの問題もない食べ物ですが、猫が口にすると中毒を引き起こします。猫のたまねぎ中毒の症状は嘔吐や下痢、貧血、赤い尿などです。赤い尿は血液の溶血によって引き起こされる血色素尿なので、厳密には血尿とは異なります。口にした玉ねぎの量、猫の体の大きさなどによって症状の出方は異なりますが、重篤な状態になる可能性もあるので受診が必要です。
病院受診前に観察すべき項目
猫が血尿を出したときは、すぐに病院を受診する必要があります。病院では猫の状態を説明することになるため、受診前に猫をよく観察することが大切です。こちらでは、受診前に観察すべき項目について解説します。
尿の色と量
猫の尿は体の状態を知るための貴重な情報源です。尿の量、色によって猫が病気にかかっているかを判断することができます。尿の量が少ないのならば、病気によって排尿が困難になっているのかもしれません。尿の色が濃い、血尿っぽい場合も注意が必要です。尿の量や色の変化に気づくためには、猫のトイレ掃除をする際に平常時の尿の状態を観察しておくといいでしょう。
尿の色をチェックするときは、白っぽい猫砂やトイレシーツを利用すると色を識別しやすいです。可能であれば、排尿時に紙コップで尿を採取して病院に持っていくのがベストです。難しい場合は尿の写真を撮って病院でチェックしてもらうといいかもしれません。
排尿の頻度
猫の尿の量や色をチェックすると共に、排尿の頻度にも注意しましょう。いつもより排尿の頻度が少ないのであれば、猫が尿を上手く出せない状態なのかもしれません。反対に排尿の頻度が高い場合は、尿が通常通りの量が出ているかを見てください。排尿の頻度が高いわりに少量の尿しか出ないのであれば、病気の疑いがあります。
排尿時の猫の様子
猫が膀胱炎や尿路結石症などにかかっている場合、排尿時に痛みを伴います。排尿時間が長い、鳴き声をあげながら排尿するなどの様子が見られるのなら痛みが強いのかもしれません。猫がトイレ以外の場所で排尿したり、排尿後に陰部を舐めたりするような仕草をとることもあります。受診前に猫の様子をよく観察し、病院で猫の状態を詳しく伝えましょう。
猫の血尿に関するQ&A
猫が血尿を出すと病気を疑って心配になる飼い主さんも多いですが、実際は病気以外の原因で猫に血尿が出ることもあります。こちらでは、猫の血尿に関するQ&Aをご紹介します。愛猫に血尿が出た時の予備知識としてチェックしていきましょう。
病気以外で血尿が出ることはある?
猫に血尿が出たときは病気によって体内から出血したと考えることが多いです。しかし、猫のペニス自体に傷がついて尿に血が混じっていることもあります。猫がペニスを舐めている場合は傷を治そうと舐めているのかもしれません。また、猫が落下する際に腎臓を損傷して血尿に至ることもあります。
猫には発情出血がある?
犬は発情期に陰部から出血することで尿に血が混じることがありますが、猫には発情出血がありません。猫が血尿を出すときは、病気や怪我などのなんらかのトラブルが原因です。陰部から出血していて尿に血が混じっている場合は、子宮内膜炎、子宮蓄膿症、子宮ガンなどの病気にかかっている可能性もあります。
予防法はある?
猫の血尿を予防するためには陰部の清潔を維持する、水をよく飲ませる、猫のトイレをこまめに掃除する、肥満対策をするなどの健康管理が大切です。体質的に結石ができやすい猫の場合は、療法食を取り入れてるのも1つの手です。獣医さんに相談しながら猫の血尿を予防しましょう。
猫を病院へ連れていく際のポイント
猫が血尿を出したら病院を受診する必要があります。飼い主さんが慌てていると猫を不安な気持ちにさせることもあるので、冷静に対処するようにしましょう。こちらでは、猫を病院へ連れて行く際のポイントをご紹介します。
キャリーケースに入れる
猫を病院に移動させる際は、キャリーケースに入れるようにしましょう。キャリーケースは猫の脱走を防ぐだけでなく、猫を落ち着かせる効果もあります。動物病院は他の動物もおり、猫にとってはストレスの多い場所です。キャリーケースに毛布やタオルをかけてあげると、猫が外部の様子に怯えずに安心できるはずです。
シーツやタオルを持っていく
家から離れること、動物病院という慣れない環境に連れていかれることは猫にとって大きなストレスです。普段は粗相のない猫であっても、怖がって漏らしてしまうこともあります。キャリーケースにはトイレシーツを敷いておくと安心です。タオルやトイレシーツの予備があると、漏らしてしまったときに対処しやすいです。
座席にキャリーケースを固定する
車で動物病院まで猫を連れて行く場合は、シートベルトでキャリーケースをしっかりと固定します。固定していないと、急ブレーキによってキャリーケースが転がったりする可能性があり危険です。猫の安全のためにも注意しましょう。
猫が血尿の時は早急に病院へ
猫の血尿で疑われる病気や受診前の注意点をご紹介しました。
猫が血尿を出したときは病気の可能性が高いです。楽観視して放置してしまうと、猫の状態が悪くなる可能性もあります。猫の血尿を見つけたら、状態を確認した上ですぐに病院を受診しましょう。